代官山ってどんな街?
代官山ってどんな街?
海外ブランドのコンセプトやこだわりを伝える特集。記念すべき初回は、ベビービョルン株式会社へ訪問。ベビービョルン代表の深井さんへ、インタビューしてきました!
主力商品であるバウンサーや抱っこ紐だけでなく、お食事アイテム&トイレアイテムなどもロングセラーを誇っています。実は、日本にベビービョルンが浸透し、初めて売れたのはお食事用のソフトスタイ。カラーが豊富、デザインがかわいい、などだけでなく、長く愛される理由がたくさんありました。
―――今回はソフトスタイをはじめ、そのほかのアイテムについてお話をおうかがいしたいと思います。ビョルンと聞いて思い浮かぶのは、バウンサー、抱っこ紐、に続いてソフトスタイだと思います。
深井さん:そうですね。実は、ベビービョルンというブランドが日本に浸透し、一番はじめに売れたのはスタイなのです。それまでの日本にはなかった素材を使ったアイテムが、まず注目されました。
当時、赤ちゃん用の通販雑誌があったのですが、そちらに掲載させていただいて、話題になったのです。素材はもちろんのこと、赤ちゃんらしいデザインのアイテムが多いなか、ビョルンは大人がみてもかっこいいデザインやカラーで目立っていた。当時でいうとモダンだったのですね。
―――ソフトスタイは、とってもこだわりが詰まったアイテムだと思うのですが…。というのも、ここまで子どもの体型や特性、使用シーンを考えて作られたものはないな、と。私自身、自分の子でも愛用していましたし、友人の出産祝いには必ず入れる定番の贈り物にもなっています。
深井さん:まず特徴が、真珠ネックレスですね。ビョルン初期のスタイでは、この構造はまだ発明されていませんでした。いろいろな体型の、いろいろな赤ちゃんがいるなか、みんなに合うものをどう作ったら良いのか。また、スタイをストレスに感じないように工夫ができないのか。この2つの問題を、真珠ネックレスは一気に解決してくれました。
まず、この真珠ネックレスは、ほぼ無段階にサイズを調節できます。そしてこの玉のラウンド型で、首へのあたりがやさしくストレスが少なくなったのです。
―――ひとつのアイテムを作るのにも、徹底的にリサーチして開発を重ねているのがわかります。ビョルン独自のデザインには感動するものが多いです。
深井さん:ネックレス部分だけでなく、注目してほしいのが、スタイ部分のカーブです。横からみていただくとわかると思いますが、すべての赤ちゃんにフィットするよう、研究を重ねて絶妙なカーブを作り出している。
子どもって、食卓に座ってずっと前を向いているわけではありません。いきなり振り向いたりしたときにも、必ず顎の下からスタイがずれないよう、お腹の3Dのふくらみにフィットする設計なのです。
―――広くて深いポケットが食べこぼしをキャッチしてくれているのだと思っていました。3D構造に秘密があったのですね。
深井さん:スタイって、装着時はいいのですが、子どもが動くとどうしても遠心力でズレてしまう。ビョルンのスタイは、ライフジャケットのようにピタッと前面でフィットするように作られています。
今でこそ、同じような素材を使ったスタイは他社メーカーさんからも出ていますが、この設計はビョルンでなければできないものだと思います。
―――素晴らしい! ママたちの間でも、このアイテムのどこがどうすごいのか、という話で盛り上がると思います。ひとつひとつのこだわりをうかがうと、アイテムへの愛着も湧きますね。
深井さん:ごくまれに、「長い間保管していたら、曲がってしまいました」という声がありますが、そんなときはお湯に入れておくと元通りになります。長く使っていただけるのは嬉しいことです。
―――ほかに、お食事アイテムでこだわりがあるものはありますか?
深井さん:プレートにも、もちろんビョルンならではのこだわりがあります。赤ちゃんがご飯を食べるときに、ママが困ることって何ですか?
―――まずは食べこぼし! あとは、お皿に手をかけてひっくり返り、おかずが宙を舞ってしまったりしますね。楽しく食べてくれたらいいのですが、食後の片付けには一苦労です。
深井さん:そうなんです。赤ちゃんは予測不能な動きをしますから、お皿をひっくり返す・持ち上げるなど茶飯事ですよね。
ビョルンのプレートは、「ひっくり返らない」「持ち上がらない」「すべらない」。赤ちゃんがするであろう動きを予測して、そのすべてのリスクに備えたデザインをしているのです。
―――本当だ! 確かにこれは、ただのプレートじゃありませんね。このクローバーの形も可愛いですが、これにも意味があるのでしょうか。
深井さん:もちろん、この形も赤ちゃんの動きを研究しつくされてできたものです。赤ちゃんは、自分から向こう側にスプーンを伸ばします。ランダムに手を伸ばしても、このクローバーのエッジ部分が勝手におかずをすくってくれるんですよ。
―――スプーンを使い始めの子って、どうしてもうまくすくえずに手づかみに戻りがちですよね。これなら「自分で食べる」という楽しさを感じられそうです。
―――トイレトレーニング用のおまるや補助便座も、プラスチック製品でビョルンらしいデザインです。
深井さん:補助便座に関しては、わたしが毎年日本の大手トイレメーカーさんに直接出向いて、新製品の便座に乗せさせてもらってチエックしています。調節ダイヤルがついているので、ほぼすべての製品に合います。
―――ビョルンのアイテムは、どれくらいの国で発売されているのでしょうか。
深井さん:出荷履歴で言えば55カ国、現在も販売されている国だと50カ国くらいですね。一番はアメリカですが、日本は世界2位で売れています。
―――日本でビョルンが受け入れられ、売れている背景としては、物作りへのこだわりがあると思います。
深井さん:インテリアに合うおしゃれなベビー用品はいくらでもあります。でも、ビョルンがユーザーに寄り添って作り続けるアイテムは、使いやすさや機能性はもちろん、子どもへの愛情が感じられるものなのです。
ビョルン夫妻はいつも「子どものいる生活はハッピーなこと」と言っています。少子化や、保育園問題など、日本の出産・子育て環境にはまだまだ問題がありますが、子どもとの生活をより楽しく、幸せな時間にするために、ビョルンはそのサポートができるアイテムでありたいと願っています。
抱っこ紐やベビーカー、そのほかの育児アイテムを選ぶとき、デザインが良いもの・安全性が高いもの・ママの利便性が良いもの…などを基準として選びがち。それは大前提として、アイテムを使うことによって「子どもとの絆を深められるか」というのも大切なことだと思います。
ビョルン夫妻が愛情を持って子どもを育ってきた経験や、いろいろなママの声を聞き寄り添ってきたからこそ生まれたアイテムの数々。
たくさんのこだわりと熱い想いに、胸がいっぱいになりました。貴重なお話をありがとうございました!
これからも、気になるブランドやメーカーさんに、直接インタビューしていきたいと思います!