私は第一子も第二子も帝王切開で出産しました。妊娠中、もちろんはじめは当たり前のように自然分娩できるものと思っていましたが、第一子で緊急帝王切開になったので、第二子も帝王切開を選ぶことに。自分が帝王切開で出産してみて感じたのが、妊娠中って帝王切開の情報が少ないなということ。

でも、分娩件数のしめる帝王切開娩出術の割合は年々増加傾向にあり、約4人に1人が帝王切開で出産するという報告も。ママ友と話していても、「実は私も帝王切開で産んだよ〜」ということがよくあります。今回は、帝王切開のよくある疑問を、私の経験からお答えしたいと思います♪

Q1．どうして帝王切開になったの？

帝王切開には2つの種類があります。逆子や第二子以降の出産などの理由で、あらかじめ帝王切開術での出産が決まっている「予定帝王切開」。そして、母体や赤ちゃんになんらかの事情が生じて、自然分娩予定から帝王切開に切り替わる「緊急帝王切開」です。

私の場合、第一子の分娩中に赤ちゃんがうまく降りてくることが出来ず、お産が予想以上に長引きました。かかりつけ医がこれ以上赤ちゃんに負担をかけることは危険と判断し、途中から帝王切開に。本当に急な帝王切開術でした。

第二子は、第一子が帝王切開だったという理由から、予定帝王切開に。一度帝王切開をした経産婦は、以降の出産でも帝王切開の選択を推奨されることが多いです。それは、母体と赤ちゃんの安全を考えてのこと。どのような出産方法を望むのかは、かかりつけ医と相談してみましょう。

しかし、出産は本当に予測不能なことが起こるもの。二人目は予定帝王切開のつもりで準備万端だったのに、なんと予定日より早くに出血し、お産が始まりそうになったため、またもや緊急帝王切開に！　ただ、入院の準備や手術へ向けての検査などは万端だったのであまり焦らず、落ち着いて出産できました。

Q2．どんな感じで帝王切開は進むの？

予定帝王切開では、手術日前日までに入院し、いろいろな検査を終えて、その日を迎えます。前日夜から絶食し、術前にまず局部麻酔をしてから、帝王切開術の開始となるパターンが多いようです。

自然分娩から緊急帝王切開に切り替わる場合は、帝王切開の可能性が出てくるとできる限りの検査やレントゲン撮影などをして状況を確認、そのまま麻酔をし出産となります。私の場合、1人目は全身麻酔になってしまったので意識はなく出産状況はわからなかったのですが、緊急帝王切開でも局部麻酔になることもあるそう。

私はいずれも緊急となってしまったので、検診後に即入院、そこから絶食などできる限りの準備をし、何時から手術ができるかを調整してもらってその時間になると運ばれて行き、麻酔をして手術……といった感じでした。

手術開始から赤ちゃんが取り出されるまでには、長く時間はかかりません。手術に不安がある方は多いと思いますが、執刀してくれる先生たちを信じ、赤ちゃんとの対面を楽しみに待ちましょう！

Q3．帝王切開にもバースプランはあるの？

帝王切開だった場合のバースプランも、産院に伝えておいても良いと思います。私が二人目の予定帝王切開の際にお願いしたのは、「産後すぐの写真を撮って欲しい」「産後すぐに赤ちゃんを触りたい」「取り出す時は教えて欲しい」という、3つのこと。

ちょうどコロナ禍が本格的になってきた去年の7月の出産だったので、家族との立ち会いはかないませんでした。しかし、立会いができた場合などには、産後すぐ長女に抱っこさせてあげたいなどの希望も出しておきました。

母体の状況が落ち着いていればですが、好きな音楽やアロマをお願いしたいといったことも可能なよう。私は時に希望せずでしたが、思ったよりも色々なリクエストができることにびっくりました。

Q4．産後の体の回復は？　赤ちゃんのお世話はできる？

術後の痛みが気になる方が多いと思うのですが、痛みに関しては、腰にカテーテルを留置して術後1〜2日付けっぱなしにする「硬膜外麻酔」という麻酔を使うことで痛みを和らげることができました。こういった処置も病院によりけりなので、術後の処置についても確認してみるのも良いかもしれません。

ちなみに1人目の時にはこの処置がなく、頓服薬だけでやりすごし、本当に痛い思いをしました。2人目は硬膜外麻酔のおかげで痛みがほとんどなく、とても快適に過ごすことができました。

術後は経過によると思いますが、手術翌日から歩行にトライして、歩けるようになったらカテーテルや点滴、麻酔を外していきます。産後数日経つと驚くほど回復するので、赤ちゃんの授乳などのお世話もできるように。……とはいえ、帝王切開はお腹を切る大手術。やはり産後の無理は良くないと思います。入院中も無理はせず、疲れたな〜とおもったら助産師さんや看護師さんに赤ちゃんを預けて、授乳のたびに連れてきてもらいました。

Q5．帝王切開で大変だったこと、辛かったことはある？

帝王切開というと術後の痛みなどを心配されたり、自然分娩と比べてまだまだ偏見をもたれることがあり、全く予期していなかった声に自分を責めてしまうことが一番辛かったです。帝王切開だったというと、「帝王切開だって立派なお産だよ！」と声をかけられることすらプレッシャーに感じたり……。また、出産は子どもとの共同作業と言われるとますます悲しくなる時もあり、とても敏感になってしまいました。

でも、娘ももう5歳。今になって子どもたちをみても、誰が自然分娩で誰が帝王切開で生まれたかなんて全くわからないし、娘を見ていてもなんでそんな声に影響されて心配していたんだろうと思うくらい、すくすくと伸びやかに成長してくれています。子育ての中で産む瞬間なんて一瞬で、ましてやそれで全てが決まることなんてないですよね。

お産に向けて心得て置きたいこと。自然分娩でも帝王切開でも、無事に産むことが一番だということだと思います。妊娠中、バースプランなどを考えるのは大事なこと。それぞれ理想のお産があるかもしれないけれど、本当にお産は何があるかわからないし、無事に出産できることは奇跡です。

私も1人目の時はバースプランをしっかり考えていたし、出来るだけ楽しみが多い方がいいな、と、病院食がおいしいなど付加価値で病院を選んでいました。だから帝王切開になってしまった時は正直ショックでした。

理想のお産が完璧に叶うかどうかは誰にもわからないので、まずはとにかく無事に我が子に会うこと、それ以外は「こういうお産になればラッキー」くらいの気持ちでいることがいいように思います。予期せぬ帝王切開を経験しましたが、帝王切開が無ければ今がないと思うと、どんな形でも産むことが出来たことに感謝しています。

みなさん、お腹でずっと守ってきた命に会うことを一番に考え、リラックスしてお産に臨んでくださいね！