代官山ってどんな街?
代官山ってどんな街?
パン大好きな食いしんぼライター・山本が厳選した、親子で楽しめる代官山の美味しいパン屋さんめぐり。今回は、世田谷の名店・シニフィアン シニフィエのシェフがプロデュースするお店としても人気の「空と麦と」におじゃましました。
代官山駅改札を抜けて東口から恵比寿方面に向けて左に折れた先、坂を200mほど下った3つ目の角を左に見たところに、茶色の木製デッキが見えてきました。今回の目的地、「空と麦と」です。
デッキの上には木製のテラステーブルと椅子2脚があつらえてあり、お天気のいい日はお店で購入したものをここでのんびりいただけるようです。
道路に面したデッキの一部がスロープになっていて、ベビーカーや抱っこで訪問しても、足元を気にせずにお店に入れる仕様に、お店のやさしさを感じます。
さあ、いよいよお店に入りますよ!
お店に入ると、お店の奥側のレジ付近で慌ただしく店員の方が発送作業をなさっていました。取材日は12月の初旬、どうやら中身は予約販売のシュトーレンのようです。うらやましい……。
シュトーレンに後ろ髪引かれつつ、目線を右に回してパンのコーナーへ。
窓側の2段の棚には食パンやテーブルパンが、その反対側の2段カウンターには大小様々なパンが肩を寄せ合うようにそれぞれ並んでいます。ぱっと見たときの印象は、全体的にハード系のパンが多いかな、という感じ。
窓とカウンターの間の壁には、パンにまつわる食材がずらり。ジャムをはじめとしたパンのお供はもちろん、北海道産の希少小麦「はるきらり」の粉や、足元にはカボチャやジャガイモといったお野菜も陳列されています。パン屋さんなのに、ちょっとびっくり!
ちょうどそのとき、レジ前でお店の常連さんと思しきマダムが「トマトは今日は入荷ありますか?」と尋ねる声が。パンだけでなく、お野菜にまでファンがいるんですね。
味の確かなもの、国産素材へのこだわりが、老若男女いろんな人の心をつかんでいるんでしょう。俄然、パンへの期待が高まりました。
ノンオイル、ノンシュガーという必要最小限の材料で焼き上げられた、「新麦パン・ド・ミ」(390円・税別)。
これは離乳食初期~中期のママにオススメです。
「油脂は極力少なく!」「虫歯を思うと砂糖の量が……」と、何かと神経を使う時期でも、これなら安心して与えられます。意外と市販の食パンってマーガリンが入っていたり、見知らぬ保存料が入っていたりするんですよね。私ももっと早くに出会いたかった!
ノンシュガーということもあり、ふんわり感にはちょっと欠けるのでパン粥などにはあまり向きませんが、トーストするとカリッともっちり食感に。しかも、砂糖不使用にもかかわらず、ちゃんと甘さが感じられます。これが小麦の甘さか……と、うなる一品。グルテンの糊っぽい臭いもないのが、またいいですね。
2歳の娘は「ちょっとかたい、でもおいし!」とのこと。苦手な味は無言で残すので、ちゃんと美味しさを噛みしめているようでした。
もうひとつは、「黒豆パン」(280円・税別)。こちらは娘にすこぶる好評でした。
カボチャが練り込まれたパンに、ほの甘く炊いた黒豆が「これでもか!」と入ったパン。お豆のパンというと、得てして豆のほうが甘いことが多いですが、こちらはパン生地のほうが甘さが強め。ちゃんと「パン」が美味しいので、食べ続けていても飽きません。
かといって、豆が主張しないのかといえば、その豆のやわらかさたるや! また皮が薄くて口に残らないので、口内が敏感な子どもも違和感なく食べ進めてくれます。絶妙な歯触りと滋味あふれる豆の味……感動ものです。
並んだパンたちに派手さはありませんが、商品に添えられたPOPには「国内産小麦」「オーガニック」といった文字が並び、大切な人には安心と安全を食べさせてあげたい、そんな気持ちに添ったお店だと思いました。
お近くにお寄りの際には、足を伸ばしてみてください。その価値があるお店ですよ!
空と麦と渋谷区恵比寿西2-10-7 YKビル1F
03-6427-0158
10:00~19:00営業
月曜日定休、火曜日不定休