代官山ってどんな街?
代官山ってどんな街?
パン大好きな食いしんぼライター・山本が厳選した、親子で楽しめる代官山の美味しいパン屋さんめぐり。今回は、ご夫婦で営まれているアットホームな街のブーランジュリー、「Famille(ファミーユ)代官山」におじゃましました。
代官山駅改札を抜けて、東口から恵比寿方面に向かって坂を下ること3分。お洋服や雑貨のセレクトショップや隠れ家的美容室を横目にずんずん進むと、行く手の右側に、かわいらしい赤い布製屋根がポツンと見えてきます。そこが、今回の目的地、「Famille(ファミーユ)代官山」です。
目印となった赤いオーニングの下はウッドデッキのテラス席となっていて、丸テーブルが2つ、それぞれに2脚ずつ椅子があり、道に向かって用意されています。
道行く人たちを眺めながら、ゆったりコーヒーブレイクなんて素敵……そんな想像を膨らませながら、ドアをゆっくり引いて、いざお店の中へ。
店内に足を踏み入れた瞬間、ちょうど何かの焼き上がりの時間だったのでしょうか、メープルの甘い香りにふんわりと包まれ、一気にテンションが上がります。
ワクワクした気分で店内を見回すと、ドアの前にガラス張りの冷蔵ショーケースがあり、中には何点かの焼き菓子、チーズやソーセージなどが。デリやジャムを一緒に販売するパン屋さんは往々にしてありますが、ソーセージやチーズとなると、これはバケットやカンパーニュのような食事パンへの期待が高まります。
そこから右を向いた、2畳ほどのスペースがパンのコーナー。窓側に3段、キッチン側に3段と、省スペースながら見ごたえ、選びごたえのある様相。全体的にはハード系のパンが多い印象ですが、層の美しいクロワッサンやハード系のパンにブルーチーズを練り込んだものなど、さすが「フランスパン・フランス菓子」と銘打つだけあります。
しかも、商品のPOPには、「四葉バター使用」の文字が。バターをふんだんに使うフランスの流れを組むパンのこと、これはもう間違いありません。
と思うと、おへそのくぼみが可愛いアンパンやグローブ型のクリームパンなど、見慣れたパンもあって、そのノスタルジックなたたずまいにどこかほっとしたり。あれこれ選びすぎて迷ってしまいます。
いろいろと選んでいてビビビときたのが、リュスティック(280円・税別)。
フランスの食卓パンの代表のひとつでもある、このパン。バゲット同様表面がパリッとこんがり焼き上がったものが多い中、ファミーユ代官山のリュスティックはほんのりとした茶色で、手にしたときの感触もしっとりしてビックリ。水分量が比較的多いリュスティックでも、触ってわかるほどのこの質感には驚きを禁じえません。
さらに口にして驚いたのが、そのもっちりとした食感。もっちり系のパンは長く口に含んでいると唾液でベタベタしがちなのですが、不思議なことにつるりとした舌触りが続きます。
また、塩分量も絶妙で、小麦の香ばしさと甘さが際立つのも魅力。そのままでも十分美味しいですが、シンプルなパンゆえに、ポテトサラダや、チーズを1枚ペロンと載せてオープンサンドにしても、トッピングの邪魔をしないどころか、満足度をぐっと上げてくれますよ。
皮の部分は、やわらかいとはいえども子どもには噛みごたえが強いので、中をちぎってあげるといいですね。口当たりがさらにやさしくなり、娘にも好評でした。
お店の方に伺ったところ、近所に保育園があって、お子さん連れのお客様も多いのだとか。また、金曜日はお菓子が割引価格になるうれしいサービスが。お得に美味しく、その丁寧なお仕事ぶりを味わうことができるので、お見逃しなく!
私がお邪魔した際、娘がちょうどお昼寝中で抱っこしながら店内を拝見していたんですが、そんな様子を気遣ってくださったお店の方のやさしさが、パンの味にも表れているような気がします。
フランスパン・フランス菓子 Famille代官山
東京都渋谷区恵比寿西1-30-13
グリーンヒル代官山101
03-3461-3644
平日8:00~20:00営業
日・祝8:00~19:00
火曜定休