代官山ってどんな街?
代官山ってどんな街?
パン大好きな食いしんぼライター・山本が厳選した、親子で楽しめる代官山の美味しいパン屋さんめぐり。今回は、ブラッスリー、デリ、ブーランジェリーの三位一体が楽しめるお店、「メゾン・イチ 代官山」におじゃましました。
代官山駅の改札から正面口を出て右へ、代官山交番前の交差点の歩道橋の足元に、黒地に銀のエンボスで「MAISON ICHI」とあしらわれた文字が、ランプの光を反射しています。その看板から階段で地下に降りたところにあるのが、「メゾン・イチ代官山」。ベビーカーの方は、階段裏手にエレベーターがあるのでそちらに回りましょう。
階段を下りてゆくと、宝石が1枚板になったようなキラキラとした自動ドアがお出迎え。両開きのドアが開く瞬間の高揚感は、遊園地のアトラクションに踏み込むときのそれとどこか似ています。
ドアの先のフロアには、2~4人掛けのテーブル席がゆったりと広がっていて、お客さんそれぞれが、自分の時間を楽しんでいる雰囲気が伝わってきました。
パンのコーナーは、エントランス入って左側。壁添いに2段、様々に並んでいます。全体的にハード系のパンが多いのですが、メゾン・イチで注目したいのはその個性的なパンの種類。
クロワッサンやヴィエノワ、フランスパンの上にチーズののったフロマージュといった、フランスの流れを組むラインナップなのですが、オーソドックスな食卓パンより、シェフのセンスが感じられるおつまみ系のパンが異彩を放っています。
たとえば、ドライトマトのパン。武骨な感じの表面ですが、一口かじるとトマトの味が全面にやってきて、生地の味でぼやけることなく、素材の旨さがパンという形で生かされています。またこのパンが白ワインに合うんですよね……。
キッシュも常時5種類あるそうで、お惣菜のひとつとして、またライトミールのメインとしても大活躍。
どんな飲み物と一緒に楽しみたいか、このパンにはどんなおかずが合うだろうか、そんなふうに、付け合わせではなく、食事のメニューの1つとして楽しめるパンだと思います。それゆえに、選ぶのも楽しくなっちゃいます。
本当はブリオッシュをオススメするつもりで伺ったのですが、この日はまさかの売り切れ! プランを立て直す前にちょっと小休止しようと、イートインでマドレーヌ(3個で199円・税別)を頂くことにしました。
メゾン・イチでスイーツをいただくときは、いつもタルトだったので、実は焼き菓子は初挑戦。どんな感じかしらと一口かじるや否や、お口の中が幸せいっぱいに!
外はカリッ、中はしっとりとしていて、まず食感に感激。そして、決して軽くないのに、油っこくない。レモンの香りが鼻腔を抜けて、ふんわりと余韻を残します。
前述のスイーツのしっかりとした甘さとは打って変わって、こちらの焼き菓子は予想外に甘くなく、子どものおやつにも最適。私が食べていたのを横から娘に奪われるほど、彼女も夢中になっていました。
フレンチに子連れだと気後れしそうですが、ここは店員さんもフレンドリーなのもうれしいところ。
ブラッスリーなのでお食事もさることながら、彩り鮮やかな各種テリーヌやトマトのファルシといった美味しいデリも魅力なので、店内でパンや焼き菓子で小腹を満たしつつ、晩御飯は買って済ませるのもアリですよ。カフェタイムは18:00までなので、のんびりしすぎにはご注意を。
メゾン・イチ代官山
東京都渋谷区猿楽町28-10 モードコスモスビルB1F
03-6416-4464
8:00~22:00営業
火曜日定休