代官山ってどんな街?
代官山ってどんな街?
最近、日本でも広く知られるようになってきた「アドラー心理学」。
ここ1~2年は特に、新聞、週刊誌、ビジネス誌、女性誌、主婦誌……とさまざまな媒体で取り上げられ、関連書籍も相次いで発売。応用される分野も「片付け」「ビジネス」「学級づくり」「コミュニケーション術」など多岐にわたっていますが、その中でも特に“教育分野に効果の高い心理学”として広まっているので、見聞きしたことがあるママも多いのではないでしょうか?
私はこのアドラー心理学を、いわゆる「叱らない子育て」として認識していました。そのとき我が家の子どもたちは5歳・3歳・1歳で、ガミガミ叱ってはイライラが募る毎日……。「叱らないなんて無理!」と思っていたのですが、本を読み、少しずつ実践することで、叱る回数が減ったかも?と感じるようになったのです。
そこで今回は、子育てがちょっとラクになるかもしれない、育児に使える「アドラー心理学」をご紹介します。
この「アドラー心理学」は、アフレッド・アドラーという心理学者が提唱したもの。ユングやフロイトが、感情や行動は「過去の原因から生み出される」と『原因論』を説いたのとは逆に、アドラーは「目的のためにつくり出される」と『目的論』を唱えました。また、「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」とし、「自分が変わることで悩みを解決できる」と具体的な方策を示した点が特徴だと言われています。
以下、代表的に言われている、アドラー流の子育て法をまとめてみます。
これは、いたずらしたり、問題行動を注意せず放っておいて良い、というわけではありません。感情的に怒ったり、叱ったりする代わりにできる行動として、
・危険でない限り、問題行動には注目しない(関心を示さない)
・正しい行動を提案したり、教えたりする
・できたときには、しっかり関心を示す
ことが重要だとされています。
確かに叱るって、即効性がありますよね。注意すれば、問題行動を一旦やめる……でも、しばらくするとまた同じことをして、また叱ることになる。何度も同じことを繰り返すってことは、叱るという行為に有効性はないんだな、と気付かされます。
すると私も、頭ごなしに叱らず怒らず、もっと“伝わる言い方”がないか、を考えるようになりました。とはいえ、まだまだ怒鳴ってしまう時もありますけどね…(笑)。
親子が“対等”で“尊敬・信頼しあう”「横の関係」を良しとするアドラー心理学では、叱ることと同様に褒めることも否定しています。どちらも一時的な効果しか生まないうえ、親子に「縦(上下)の関係」を持ち込んでしまうからです。
それに、褒めることは「ごほうび」の一種。子どもの行動をうながす道具として「ごほうび」を使うと、
・ごほうびがあれば行動する、なければ行動しない子に
・要求するごほうびがエスカレートし、駆け引きを覚える
・結果ばかり重要視し、0か100かの主義になりやすい
という弊害も指摘されています。我が家の次男はまさにコレ。これを知って、上から目線のごほうびはやめようと思えました。
叱らない、褒めない。それらの代わりに行うのは、共感をベースにした「勇気づけ」。勇気づけとは、ひと言でいうと「困難を克服する活力を与えること」です。
例えば、
・子どもの気持ちに共感して一緒に喜ぶ。例:「~は、ママもうれしい!」
・役立ってくれたことにお礼を伝える。例:「~してくれて助かったよ」
・結果だけでなく努力してきたプロセスに注目。例:「○○を頑張ってたね」
・存在そのものに感謝する。例:「居てくれて幸せ。ありがとう」
というような言葉がけは、「叱られる」&「上から目線で褒められる・励まされる」より、ずっと子どもの心に響きやすいそう。そうすると、子どもとの信頼関係・絆が深まり、意欲的な自立した子どもに育っていくのだと言います。
このほかにも、
「リフレーミング」:人物・物事の良い面に注目する方法。短所も長所になりうる。
「課題の分離」:起こった問題を、親の課題と子どもの課題に分けて考えるとラクになる。
「自然の結末」「論理的結末」:自身の体験を通して、子どもが自ら学ぶ方法。
など、育児に使える手法がたくさんあります。
私は「アドラー心理学」と出会ったことで、子どもへの今までの声かけ・対応はどうだったか、感情的なだけではなかったか、振り返る良いきっかけになりました。
特に私が読んだ『マンガでよくわかる アドラー流子育て』は初心者にピッタリ。育児で困ったり悩んだりしやすい場面が「よくある事例」として挙げられ、そんな時に使いたい「言葉がけの例」が数多く載っていて、とても参考になるんです。
実際、私は自分でも知らないうちに、子どもの気持ちをくじいてしまうようなネガティブな言葉を発してしまうことが多々あり、それに気がつけたのもこの本のおかげ。
例えば、注意しても聞かず、道路の段差などで子どもが転んでしまったとき、今までの私は「ほらね。何度も言ったじゃん。気をつけていないからだよ」などと言っていましたが、これでは子どもがシュンとしてしまったり、反発してしまうだけ。
それより「大丈夫だった? 痛かったね。次からは前をちゃんと見て、気をつけて歩いてみよっか」と言った方が、子どもの心にもスッと入っていく……という具合です。
また、この育児法のすべてが実践できなくても、知識として頭に入っていることで、感情を少し冷静にコントロールできているかな、というのも感じています。もし、皆さんも子育てて悩んでいることがあったら、ぜひ一度「アドラー心理学」に触れてみてくださいね。